マニアの館




チーマの畑は、海から約2キロの所で、海抜250Mの高さにあり、
海よりも気温が3〜4℃くらいは暖かいそうです。
全部で27〜8ヘクタールの畑を所有し、様々なブドウが植えられています。

アウレリオさんの父・ジョバンニさんは、毎日畑に出て、ブドウの成長具合や、
畑や木に異常はないか見回っているそうです。
訪問した日も、畑を見に行ったそうで、会うことは出来ませんでした。
これほど畑を愛している人はいません。

そして、チーマでもアグロノモには「畑の仕事人」フェデリコ=クルタス
(「コッレ・サンタ・ムスティオーラ」や「テヌータ・ヴァルジャーノ」
でも畑のコンサルタントを務める)を起用し、アウレリオ、ジョバンニ、フェデリコの3人で
素晴らしい畑管理を行っています。

ジョバンニの世代は、質よりも量のブドウを作る時代でしたが、彼の考え方は
新しく、昔から密植の低収量で良質ブドウを作ることをしていました。
そのため、平均樹齢も40〜50年と高く、凝縮したブドウが収穫されています。




2004年のブドウは、例年並み(昨年は暑すぎで収穫は少し早かった)の生育で、
訪問する日まで50〜60日ほど雨が降らず、そしてもの凄く暑くもなく、
寒くもなく、昼夜の寒暖差がある素晴らしい気候だったそうです。
雨が少なくないマッサ地区では珍しいことです。
訪問した数日前よりヴェルメンティーノから収穫が始まっています。

先週に適度の雨もありましたので、今年は近年希に見る、凄い収穫になるだろうとアウレリオが言っていました。

ワインは醸造が終わってからですが、ブドウは最高の状態に間違いありません。
2004年のワインのリリースが待ち遠しい限りです。




チーマでは、1ヘクタール当たり1万本の密植が行われています。
また何と言っても注目は、最大60%の勾配があります。
ここの収穫は、まさに命がけです。斜面の下の部分から畑ごとに収穫していきます。
急斜面のため機械は入りませんので、すべて手摘みで行われ、
多めの25〜30人の人手を使い、短時間に収穫していきます。

おおよそ27ヘクタールある畑を20日間で収穫していきます。
この面積は、個人所有ではマッサ地区最大の規模の広さだそうです。




一つの幹には、8枚の葉を茂らせ、ブドウに養分が十分に行き届くように仕立てをしています。
また風通しを良くして、干しブドウのようにならないように工夫していました。
サンジョベーゼ種のクローンは、古い物は粒が大きく、新しく改良されたものは
小さくなっているそうで、よりワイン向きの良い物になってきているようです。
樹齢50年の古木のブドウは、粒が大きめでした。
しかし、その分房を少なめにして、ブドウを凝縮させていました。

また、訪問した翌週には、イタリアで最も権威のある
農業TV番組「ヴィニャ・ヴェルデ」の取材もあるとのことでした。
やはり、独特に管理された畑に関心があるようです。




また、アウレリオさんは、「D.O.Cカンディア協会」の会長を務め、
この地域の白ワインの復興に努力を傾けています。

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